不妊治療を始めると、どうしても通院のために仕事を休まなくてはいけないこともありますよね。そのために仕事を辞める人も多いといいます。
しかし、不妊治療で仕事を休むことは悪いことではないはず。では、休む理由はどのように言えばよいのでしょうか?正直に言うべきなのでしょうか?
不妊治療で仕事を休む理由について、経験者の意見を含めてご紹介します。
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不妊治療で仕事を休む理由、みんなはどう言っていますか
不妊に悩む夫婦は、日本ではおよそ6組に1組と言われています。
このデータは、不妊検査や治療を受けたことがある夫婦なので、不妊症と診断された数ではありません。
そもそも不妊症とは、妊娠を希望する男女が一定期間(日本では1年間と定義)夫婦生活を送っても妊娠しないケースのことを言います。
このような夫婦が子どもを持つためには、不妊治療に臨む方法がありますが、定期的に病院に行かなくてはいけないという理由から仕事をしている女性は、不妊治療に通っていることを会社に報告するべきか悩むということも少なくありません。
病院の受診日は、医師から指定された日と時間に行くことが多く、排卵や移植となると受診には時間がかかることがありますので、丸1日病院で潰れてしまうこともあります。
不妊治療を会社に伝えず、勤務することも出来ますが、休みが多くなります。
自分が会社を休むことで、仕事内容に支障をきたしたり、他の社員に迷惑をかけてしまうのであれば、治療に専念するためにも上司に不妊治療することを報告しておいた方が良いでしょう。
理解ある上司や会社であれば、休んでも支障が出ない部署や仕事内容に変更してもらうなどの対処をしてもらったという例もあるようです。
不妊治療のために仕事を休む理由は●●にしました
フルタイムで1日働いている女性にとっては、平日の日中しか行けない病院通いはとてもネックです。
風邪や歯医者など何回も行かなくてもよい内容であれば良いですが、不妊治療には長い期間病院へ通わなくてはいけません。
病院へ通わなくて良くなるのは、不妊治療を終えるまでなので、ここまでというゴールが見えないというのも大きな悩みですよね。
不妊治療では、排卵の周期が始まると、最低でも3日に1度の受診が必要になるため、仕事を平日の週で2回休まなくてはいけなくなることもあります。
でも会社には、仕事内容や人間関係などでどうしても不妊治療しているということを言いたくないという場合もあります。
周りに自分と同じような年代の女性がいれば相談も出来そうですが、社員が少なかったり上司に理解が得られなそうだと、不妊治療していることは言いづらいもの。
代わりに「介護」を理由に休んだという人もいるようです。
仕事を持っていると、不妊治療での金銭的負担や精神的負担に加え、仕事に対する調整などもしなくてはいけないので、ある程度の覚悟を持って臨みたいものですね。
不妊治療で仕事を休む理由が見つからない人のために
仕事をしていると必ず義務付けられているのが、昼休憩です。
フルタイム勤務であれば、1時間程度の休憩時間が与えられますので、この昼休みの時間を利用して、不妊治療を行っている人もいます。
現在は、不妊に悩む夫婦が増えているということから、仕事を持ちながらも治療に通いやすいようにと、昼休憩中も診察できるように対応している病院も増えています。
会社から近いクリニックであれば、短時間で終わる治療(血液検査や注射など)であれば、この方法が利用できます。
また、病院によっては働きながら治療に通う患者が通いやすいように平日の診察時間を延長したり、休日や祝日も診療を行うところもあります。
ただ、このような病院は、需要が高く、利用する人が多いので、予約ですぐに埋まってしまい、予約をとるのが難しいということがあります。
不妊治療と仕事の両立に悩む女性は多い
働きながら、不妊治療を続ける人は「仕事と不妊治療との両立は難しい」と考えている人が多いです。
しかしながら、不妊治療には高額の治療費用がかかり、平均では総額100~200万円かかると言われています。
そのため、仕事を辞めて治療に専念したくても高額な治療費の捻出が難しくなるということから、仕事を続けながら不妊治療をするという選択をする人もいます。
不妊治療では、自分が行きたい日に病院に行くのではなく、自分の体調や排卵日、生理などに合わせて医師から指定された日に行きます。
治療では、ホルモンの量を調整するために黄体ホルモン注射を頻繁に打ったり、排卵剤を注射することもあるため、その度に時間を作る必要があり、会社を休んだり、遅刻や早退もせざるを得ない状況になります。
「不妊治療」に通っているということは、とてもデリケートな問題なので、周りの目が気になって言い出しにくいことです。
不妊治療を始めたことにより、やむなく仕事を辞めた人も多いといいます。
今の日本においては不妊治療に対する理解が得られにくい社会の状態が浮き彫りになっているということでしょう。
不妊治療と仕事を両立させるためには
今は、会社でも男性同様にバリバリ働く女性が少なくありません。
女性の社会進出に伴い、責任のある部署でリーダーとして活躍する女性が増えて来ている中、不妊治療に通っているということは言い出しにくいことではありますが、特に社内で重要な立場にいる人で、仕事と不妊治療の両立を考えているのであれば、会社に伝えておくことが大切です。
職場での理解が得られるということは、精神的な負担がひとつ減るので、より治療に専念することができるでしょう。
ただし、周囲の理解が得られたからといって仕事で周りに迷惑をかけてしまうということには変わりありませんので、そのあたりは配慮し、仕事の引き継ぎなどではわかりやすいようにまとめたり、抜けがないようにすることが重要です。
自分が治療に専念できるのは周りの人のおかげということを忘れず、感謝の気持ちを持って仕事するとより良いのではないでしょうか。
多くの人が仕事と不妊治療の両立に悩んでいるという現実
晩婚化が進む日本では、ちょうど不妊に悩む時期が30代~40代の間という人が多く、この時期は、仕事においてもちょうど重要なポジションで部下を抱えている人も多い、働き盛りの年代です。
不妊治療は、悩んでいる当人にとっては重要なことですが、これまでのキャリアを考えても仕事は手放したくはないと考える人がほとんどです。
しかし、現状では不妊治療に対しての理解が期待できないことなどから上司には報告したくないと考える人もいます。
中には、「不妊治療に通うので、今後頻繁に休むことになる」ということを伝えて上司から承諾を得たのに、上司が想像していた「頻繁」よりもはるかに多い回数だったということから部署異動をやむなくされた人もいるようです。
特に、男性の上司は、不妊治療に対する理解が薄い傾向があります。
重要なポジションで活躍する女性が、不妊治療を機に職を諦めるということは、日本社会にとっては大きなマイナスと言えるでしょう。
社会や企業が、不妊治療に対する意識を変え、知識を深めたりサポートを充実することが、仕事と不妊治療を両立させるためには必要と言えるでしょう。